ホーム › 体験談 › 感想文

感想文

2004年度TTBiz担当者

先生(熊本県立熊本高等学校)

溢れる魅力 TTBizのダイナミズム

何故ここまで必死になれるのか・・・。躍動する生徒たちの姿。泣き、笑い、そして感動。プレゼンテーションの会場に若いエネルギーがほとばしる。TTBiz集大成の場である。

今回で2度目となるTTBiz2004は、米国人を対象とした日本の旅行プランを創り上げるというものであった。米国の高校生をパートナーに得て、英語でコミュニケーションを取りながら米国人のニーズを精細に分析する。マーケティングの基礎を学び、市場調査して、米国人旅行者のターゲットや旅行コンセプトを明確にする。生まれ育った自分の郷土を見つめ直し、新たな魅力を知る。

当初はアメリカ旅行という副賞に興味を示していた生徒達も、自ら描いたビジョンに向かって活動することそのものに歓びを見い出し始める。惜しみなく時間も労力も提供する。様々な課題と対峙する中で、不安が勇気へ、そして自信へと昇華する。解決の糸口を、フィールドワーク、ディスカッション、情報収集や分析、学問的裏付け等多彩な手段に求めるようになる。行動することの大切さ、学ぶことの意味、知識の持つ力、人と接するときの配慮やマナーなど、それまで漠然と抱いていたことを実働のプロセスの中で本気で実感する。自らの未熟さを知り、世の中の大きさと人の温かさに触れて、社会のなかで生かされて生きている自分に気づく。そういうプロセスを経て、成りたい自分の像が具体化し、これからどのように生きて行きたいかという自我が顕在してくる。まさに進路感、職業観、人生観の入り口へと誘われていくのだ。

これが、TTBizの持つダイナミズム。生徒達が必死になれる理由はここにあると思う。生徒が本来持っているはずの好奇心を擽り、行動の意欲を高めて、自ら走り、加速することを促すのは、そうする意図を持った仕掛けがあるからである。自主性を引き出すのは、放任でもなく、手取り足取りでもない。ビジョンに基づく緻密な布石、そしてJAやAMEXの方々による温かい人間的支援がそれを可能にしたのだと思う。学校現場で「自主性」を話題にされることは多いが、まさに自主性を引き出すにはどうしたらよいかのヒントをこのプログラムの中に見いだすことができる。

最後に、プログラムを提供頂いたジュニア・アチーブメントの皆様、アメリカン・エキスプレス財団はじめトラベルカウンセラーの方々、活動にご協力頂いた地域の方々に厚く御礼申し上げます。